読書の秋で〜す。
川上弘美の短編集「蛇を踏む」を読んでみた。

ぬ〜っとする。
この人の本ははじめてだったんだけど
このジェットセットな東京ライフにどっぷりつかり
なんでも手っ取り早く消化することに慣れきったあたしははじめ
なんか肩すかしをくらい続けてるような居心地の悪さ。
「ででで、結局なにが言いたいの?」みたいな
もどかしさにどうしてもあわてて読んでしまう。

でも何扁か読み進めていくうちに
そのテの結論はこの本にはないってのがわかってきて
そうするとこの
のらりくらりぼわわわんとした感覚が
みょ〜に心地よくなってくる。

そしてそのうち
その詩のよーな夢のよーな世界の
期待しない方向から「意味」がやってくる。
あ、こんなふうな感覚ってあたしもなんか知ってるなあ、とか
あれってのはこういうことだったのかも!?
みたいな感じであたしの中に落ちてくる。(腑に落ちてくる?)

梶井基次郎とか福永武彦(池澤夏樹のお父さん)みたいな
ちょっと昔の文学作品に似ていないこともないんだけど
もっと脱力で曖昧で
それが中途半端を意味しないところが彼女独特のものなのかも。

ああ、あこがれるよそーゆうの。
だからぬ〜っとここちよかったです。